フサフサ綿帽子が特徴のおしゃれなお猿ワタボウシタマリンの生態や特徴について解説
2020年月12日22日
顔は黒く頭にはフサフサと綿毛のような冠毛が特徴のワタボウシタマリン。
現在では生息地の人口増加・発展により大幅に生息数が減っており、近絶滅種に指定されています。
今回はそんなワタボウシタマリンの生態や特徴について解説していきます。
ワタボウシタマリンの生態
分類
霊長目 オマキザル科タマリン属
別名 ワタボウシパンシェ
生息地
コロンビア北西部、熱帯雨林や二次林や疎林などに家族を中心とした3~9頭ほどの群れを形成して生息しています。
他のタマリンたちのように樹上生活を行っていますが、ワタボウシタマリンは比較的低い樹層に多く、地上に降りてくることもあります。
たいてい標高400mくらいの森林地帯に生息していますが、標高1500mの高地でも観察されることがあり、生息範囲は幅広いことがわかっています。
とても活発的で枝から枝へ俊敏に動き回っていますが、樹上でやそむときは他の猿と違ってうつ伏せで眠ることが多いようです。
形態
体長 20〜30 cm
尾長 30〜40cm
体重 300〜450g
猿の中でも小型で尻尾は体より長いのが特徴です。
名前の由来にもなっている綿帽子のような白いふさふさの毛が頭頂部に生えていて、首筋から背中にかけて伸びています。
背中〜尻尾にかけては褐色・茶褐色になっていて胸や腹部、前脚・後脚の内側はシロ・クリーム色のカラーリングになっています。
顔は黒色で目から鼻、口の周りにかけて白い毛で縁取られています。
前脚は後脚よりも短く、五本の指があり後肢の親指は平爪であるが、ほかの爪はすべて鉤爪をしている。
寿命
雌は1年半、雄では2年程で性成熟します。
野生での寿命は15年程度、飼育下では25年生きたという記録もあります。
野生の場合、地上ではジャガー・オセロット、樹上ではフクロウやタカなどの猛禽類、
トカゲやヘビなどに襲われることもあるので実際にはワタボウシタマリンの寿命はもっと短くなっているかもしれません。
匂いでコミュニケーションをとるワタボウシタマリン
ワタボウシタマリンの群れは1日に最大1〜2kmを移動することもあり、
仲間とのコミュニケーションや集団の存在や縄張りを知らせるために、臭腺から出る匂いでマーキングします。
オスよりもメスの方が攻撃的で、位が高いこともあり、メスが縄張りのマーキングすることが多いようです。
仲間同士のコミュニケーションにはこのマーキングの他、多彩な音声やグルーミングをおこないます。
ワタボウシタマリンの子育て
ワタボウシタマリンの群れは優位なペアとその子供、群れの行動域を超えて移動する劣位の数匹(ヘルパー)から成ります。
子供を産むことができるのは優位のメス1匹のみです。
メスの排卵周期は15日で妊娠期間は約140日ほどで1年に2度出産します。
1回の出産に2匹を双子で出産することが多く、父親やその他のメンバーは
子猿が産まれた時から赤ちゃんを運んだり、昆虫などの食べ物を譲ったりなどのお世話をします。
このような共同養育は霊長類の中でも珍しく、タマリンやマーモセットだけの特徴と行っても良いでしょう。
ワタボウシタマリンに会える動物園
東京近郊でワタボウシタマリンに会える動物園は、「上野動物園」と「江戸川区自然動物園」です。
動物園によっては、ワタボウシパンシェという名前で展示されていることもあるので注意してくださいね。