自撮りザルとして人気沸騰?真っ黒な見た目のクロザルについて解説!

2021年月03日09日

イギリスの写真家、デビッド・スレーター氏が撮ったある写真から有名になった、このクロザル。

SNSやニュースでこのクロザルの写真を見たことのある人は多いかもしれません。

今回はクロザルの生態や習性について解説していきます。

クロザルの生態

分類

哺乳綱霊長目オナガザル科マカク属

生息地

インドネシア中部・スラウェシ島北部の熱帯雨林のみに生息しています。

主にタンココ・バトゥアングス自然保護区で50~100頭ほどの群れをつくって生活していて、1日のほとんどを地上で過ごし1日に2km以上移動します。

形態

体長 45~65cm

尾長 2cm

体重 2.5~5.5kg

名前の通り、全身が黒い毛で覆われ、琥珀色の綺麗な目とモヒカンのような逆立った冠毛が特徴的です。

地面などに腰を下ろすとき、体を安定させたりお尻を守ったりするための尻ダコは、鮮やかなピンク色をしていてとても目立ちます。

オナガザル科には珍しく尻尾が2cmと短くなっています。

スラウェシ島で「ヤキ」と呼ばれ、保護区ですら食糧として狩猟され絶滅の危機に瀕しています。

寿命

野生下:15~18年  飼育下:20~35年

天敵は蛇です。

日本でも円山動物園や千葉市動物公園など飼育例が多く、飼育下である方が寿命が長くなります。

自撮りするクロザル

引用:https://wtop.com/news/2014/08/monkey-selfie-copyright-issue-settled/

2014年、イギリスの写真家デビッド・スレーター氏のカメラで、クロザルが自撮りし、その写真をデビット氏がネットにアップしたことから話題になりました。

写真自体もとてもよく撮れていて素敵な作品ですが、この写真が有名になった理由は著作権にあります。

問題は「人間以外の動物による作品は著作権が発生するか」という点です。

スレイター氏は自身に著作権があることを主張しましたが、専門家や組織からは著作権を持つのはその作者である・人間以外の作者は著作権では保護されないという考え方から論争していました。

2014年にアメリカ合衆国著作権局は「サルによる作品はアメリカにおける著作権の対象にならない」とし、2016年にはアメリカ合衆国連邦裁判所は猿は画像の著作権を有しないと判断される結果となりました。

珍味として捕獲され絶滅危惧種に指定されるクロザル

北スラウェシ州に位置するトモホン市で生活するミナハサ族は、 猿、犬、コウモリ、大蛇…と動く物は何でも食べるといわれていて、野生動物を食用とすることに対して宗教上の制約がありません。

特にサルを積極的に食べる習慣があり、地元で貴重なタンパク源として重宝されています。

野生のイノシシや犬に似ていてスパイシーな味がするのだそうです。

近年、日本人や欧米人向けに馴染みのないコウモリやクロザルを食する「珍味ツアー」が組まれ、この取引が行われる闇市場が問題になっています。

国際自然保護連合(IUCN)は、クロザルをレッドリストでは絶滅の危機が極めて高い絶滅危惧ⅠA類に指定し、保護を喚起しています。

また、地元の居住地や農地の拡大に応じて、生息地を追いやられ個体数が激減しています。

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